日本での姦通罪の規定


日本での姦通罪規定

 明治13年太政官布告第36号にて布告された旧刑法353条に規定され、明治40年法律第45号にて公布された刑法183条に引き継がれた
  姦通罪は必要的共犯として、夫のある妻と、その姦通の相手方である男性の双方に対し成立する。姦通罪は、夫を告訴権者とする親告罪とされた。告訴権者である夫が姦通を容認していた場合は、告訴は無効とされ罰せられないものと規定されている。

旧刑法(明治13年太政官布告第36号)
第353条

有夫ノ婦姦通シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ處ス其相姦スル者亦同シ此條ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ其罪ヲ論ス但本夫先ニ姦通ヲ縱容シタル者ハ告訴ノ效ナシ

(夫のある夫人で姦通した者は六月以上二年以下の重禁錮に処す。その夫人と相姦した者も同じ刑に処す。本条の罪はその夫人の夫の告訴を待ってその罪を論す。ただし夫が先に姦通を縱容した場合は告訴の效なし)

関連 旧民法第768条
姦通によって離婚または刑の宣告を受けた者は相姦者と婚姻することはできない


刑法(明治40年法律第45号)
第183条

有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ

(夫のある夫人が姦通したときは二年以下の懲役に処す。その夫人と相姦した者も同じ刑に処す。前項の罪はその夫人の夫の告訴を待ってこれを論す。ただし夫が姦通を縱容したときは告訴の效なし)

 

姦通罪の廃止

 第二次世界大戦後、昭和22年に施行された日本国憲法には14条に男女平等が定められており、姦通罪は同条に違反するとされた。一部には「妻のある男性にも平等に適用するように改正すれば、憲法に違反しない」とする意見もあったが、同年10月の刑法改正によって姦通罪は廃止された。


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